個人再生が認められれば、借金を2割ほどにまで圧縮することができます。
しかし、その反面、個人再生には大きなデメリットもあるため、申請の際には、その点を考慮する必要があります。
まず、最大のデメリットとしては、個人再生をしたことが情報機関に記録され、その情報が金融業界などで共有されることが挙げられます。

ブラックリストは申請者の信用性を確認する材料として利用されます。
ブラックリストとは信用情報機関に事故情報として掲載されることです。
そのため、ブラックリストに名前が載っていると、クレジットカードやローンなどの申請が通ることは困難になります。
ブラックリストから名前が削除されるには、およそ5年から10年程度かかりますが、その間は、生活面で非常に大きな制限を受けることになるわけです。

さらに、政府の新聞である官報にも名前が記載されるというデメリットもあります。
これは、官報を読んでいる人間があまりいないことから、一般的には、あまり大きな問題とはみなされていませんが、掲載された名前に詐欺メールなどを送ってくる悪質な業者もいるため、やはりトラブルに生じる可能性は否定できません。
なお、官報に掲載された名前もまた、ブラックリストと同程度の期間で抹消されるため、これをブラックリストから名前が抹消されるまでの目安にすることもできます。

また、個人再生の条件として、一定の収入が求められるため、利用できる人が制限されてしまうことも、そのデメリットの1つと言えます。
しかし、これは、3年かけて圧縮された借金を返していくという個人再生の性質上、やむを得ないものです。
また、申請の際には、収入や各種の資産などの証明書を裁判所に提出しなければならないのですが、それが面倒であるというデメリットもあります。
ただし、これについては、弁護士や司法書士などの専門家に代行してもらうこともできます。

申請が認められた場合、債務者の資産は裁判所の管理下に置かれ、それに基づいて、債務者は返済計画を立てることになります。
これには提出期限があり、期限が過ぎれば、やはり申請は退けられます。
続いて、この再生計画は債権者に確認されることになるのですが、ここで債権者の了承を得られなければ、やり直しとなります。

それに加えて、これらの条件をすべて満たし、実際に返済していく段階になっても、期限までに返済しきれなければ、それまでの労力が無駄になるだけでなく、圧縮されたはずの借金まで元に戻ってしまうのです。
こうなれば、遺された手段は自己破産位となってしまいます。